平成16年11月14日午後7時00分



皆さんこんにちは。
「立ちあがれ!中越」プロジェクト、niigatachuetsuことshigeです。
では震災レポートの最終回になります。

とうとうこの日がやってきました。
新潟県中越地震中越大震災発生から3週間後のこの日。
小千谷小学校の炊き出しテントが閉鎖しました。
閉鎖の理由は様々にあります。
残念ながらその全てをここに書くことはできません。
ただ、個人的には非常にいいタイミングだったと言う思いはあります。

「ありがとうございました。」
この言葉は避難所の方々からも声を掛けられました。
ですが私たちも皆さんにそうメッセージを伝えられずにはいられませんでした。
新津から来た人、白根から来た人、富山から来た人、春日部から来た人、甲府から来た人、島根から来た人、皆さん口をそろえてこう言って下さいました。
「こんな災害にあっても笑顔を絶やさず、そして人を気遣う心を忘れない小千谷の人たちに触れて本当に良かった。」と。
私たちもそれは同じ思いでした。

この3週間、ここでは色々なことがありました。
「店だってこれじゃ開けられなくて仕事にならないから。」
そう言って家族を上越の親戚の家に預けて、ずっと車で寝泊りをしながら炊き出しテントのリーダーをしてくれた紫苑マスターの星野哲孝さん。
「親の実家が水害に遭った時に助けてもらったから今度は俺たちの番だ。」
白根からバイクで駆けつけてくれた関根さん。

「しげちゃん、俺はもうすっかり小千谷が好きになっちゃったよ。」
いつも笑顔で元気良く、そして顔が見えなくなると避難所の人が心配したくらいにテントの顔になった新津の中野さん、そして中村さん、川崎さん。
「だって小千谷はこんなに大変なのに、そしてこの大変な所に住んでる星野さんがこれだけ頑張ってるのに俺らが頑張らないでどうするのよ?」
日帰りの予定を変更して現地に3泊もしてくれた春日部の栗原さん。

恐らくこれ以上に中身の濃い3週間を過ごすことはもう二度と無いでしょう。
震災で多くの人が多くのものを失いました。
しかし、それ以上のかけがえの無い物を得た人も多いはずです。
こんな時代だからこそ、あの時得たもの、感じたものを忘れないままに今日を、明日を生きていくのが私たちの使命であると感じています。
きっと今回の震災で犠牲になった方、そして昨年8月に天に召された新津の中野さんも見守っていてくれることでしょう。

(終)