被災地の今

はじめまして!!
「立ちあがれ! 中越 」プロジェクト 、Forestです。

先日、とある山間部にある知人の畑にお手伝い(お邪魔?)に行ってきました。
山は崩れ、農道も農地も殆ど手付かずで復旧はまだまだこれからのようでした。
しかし、そんな中にも道なき道を行った所にある田畑を自力で直したり、作付けしていたりしている箇所もちらほらとあり、そんな場所を見付ける度にそこに生きる人達のたくましさに尊敬の念を抱き胸が熱くなりました。

また、あるおじいちゃんに会ってきました。彼は家が全壊で、体の悪い奥さんと仮設で二人暮らし。田畑も大きな被害を受けていました。
雪がまだ沢山残る春先に彼と出会い、彼の醸し出す“何か!”に大きく惹かれ、何度か仮設住宅で一緒にお茶飲みをし、山の家を訪ねました。
冬の山は厳しく、春夏でも効率から見たら良いとは言えないだろうその場所は、桃源郷のような素敵な場所でした。まだ深い雪の残る静寂な日、雪が消え草花が芽吹いた日、赤々と夕日が燃え落ちていった日、作物が芽を出した日、彼が毎日手をかけていき、少しづつ少しづつそこは変わっていきました。
「こんな事がなかったら後10年は続けたかったんだ。でも、自力での家の再建は無理。子供の所に行くとここには通って来れないから市営住宅に安く住めればいいのだけれど、権限は子供に委ねているから・・・。仮設にいれる間は居させて貰おうと思っている。」
「毎日通っているんだ。仮設にいたら死んでしまうからね。あそこでは何もする事がないんだ。これが生き甲斐だから」「今度はホース買ってきて向こうの山から水を引いてくるんだ。地震で水が出なくなったからね」「もう少ししたら野菜が採れるから又来てくださいな」など、色んな話をしました。
彼の顔はまるで菩薩のようでした。戦争や小作制度、豪雪、その他、若い私たちには到底想像できない苦労をしながら生きて来た彼のその顔は、全てを超えたようにも見えました。

時間はかかります。失うもの、諦めなくてはならないもの等もこれからまだ出てくると思います。先のことなんて本当は分かりません。でも、こうやって輝いている人がいる。ほんの小さな光でも。一人一人が小さくてもいいから、彼のように輝けたらいいなって思いました。

昨日、闘牛好きな彼は早速見に行って、喜んでいました。次は一緒に行きましょうね!と、デートの約束とりつけました!